GPUとは:役割・CPUとの違い・内蔵と単体の違い

GPUとは
GPUは「グラフィックス・プロセッシング・ユニット(Graphic Processing Unit)の略で、画像や動画処理を行うための専用プロセッサ(演算装置)」です。
近年のパソコンは画像、動画、ゲームなど、画像/映像を利用する用途も増えています。画像・映像をより高画質・滑らかに描写するためにはGPUが欠かせません。
GPUは多くのコアを持ち、大量のデータを同時(並列で)処理することに特化しています。膨大な量のデータ処理が必要なAIとの相性が良いことから、AI用のチップとしても活用されています。
GPUの役割・動作例
GPUは画像・映像を描写する役割を担っています。ゲームではキー入力するとキャラクターが移動したり背景が変わります。キャラ移動後がどのような画像・映像になるのかを計算して、モニターに映し出しているのがGPUです。
キー入力してキャラクターを右に動かす場合の例を考えてみましょう。
- 入力値の読み取り
- CPUが計算
- GPUによるグラフィックスの処理
- 映像をモニターに表示
キーボードの入力値をCPUが認識します
CPUが入力値を読み取り、どのようにキャラクターを動かすか計算します。例えば「キャラクターを右に5歩動かす」と計算します。
CPUの指示に基づいてGPUがグラフィックスを計算します。例えば「キャラクターが右に5歩動いた場合の画像がどうなるか」を計算して画像を作り出します。
GPUが作り出した画像データがモニターに表示されます。実際には、CPUが「GPUの画像データをモニターに出力する」と指示を出すことで表示されます。
このように、GPUは画像・映像を描写する非常に大事な部品です。
CPUとGPUの違い
CPUとGPUはどちらもコンピュータにおける計算を担っていますが「GPUは簡単な計算を大量・高速に処理できる点」がCPUと異なります。
CPUは通常、数コアから十数コアを持っています(コア:CPUやGPUで実際に計算を行うユニット)。1つ1つのコアが高性能なため、複雑な計算や命令を実行するのに適しています。一方、基本的には1コア1処理のため、同時にたくさんのタスクを処理することが苦手です。
GPUは数百から数千と多数のコアを有しています。1つ1つのコアの性能はCPUほど高くありませんが、多数のコアによってシンプルな処理を同時に処理することが可能です。
画像や映像は膨大なピクセル(画素)の集まりです。各ピクセルの色や明るさを変更するといった「膨大な単純処理」にはGPUによる並列計算が有効です。GPUが画像・映像処理に適しているのはこのためです。
[kanren id="31"]内臓GPUと単体GPU
内蔵GPU(内部GPU)は「CPUに内蔵されたGPU」です。性能は高くはありませんが、基本的なグラフィックス処理が可能です。単体GPUは「CPUとは別パーツとして存在するGPU」です。高性能で重いグラフィックスも処理できるため、ゲームに適しています。
以下の表に内蔵GPU(内部GPU)と単体GPUの違いをまとめました。
項目 | 内蔵GPU | 単体GPU |
---|---|---|
場所 | CPUに内蔵 | 独立 |
性能 | 低性能 | 高性能 |
消費電力 | 低い | 高い |
コスト | 安い | 高い |
用途 | 日常的な作業 (ウェブ閲覧・動画再生など) |
高度な作業 (ゲーム・動画編集など) |
メモリ | CPUと共通 | 専用のメモリー(VRAM) |
単体GPUは「3Dゲーム・動画編集・AI」といった高度な作業に必須です。一般的な作業であればGPU内蔵CPUで問題ありません。